「アジア初キノコ 高校生が特定」読売新聞に掲載されました。

「アジア初キノコ 高校生が特定」読売新聞に掲載されました。

↑柿の木についたキノコを観察する生徒たち(大阪府池田市で)

 

12月23日(木)読売新聞夕刊に本校の活動記事が掲載されました。
これまで、日本を含むアジアで確認されていなかったキノコが本校果樹園で発見されました。
すでに生徒たちは、日本菌学会などで発表していましたが、あらためて読売新聞が取り上げてくださいました。

読売新聞オンランでも配信されています。

https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20211223-OYO1T50014/

↓読売新聞記事から抜粋↓

実習用の木についていた小さな白い「粒」がアジアで初確認となるキノコだったことが、大阪府立園芸高(池田市)の研究で明らかになった。生徒らが半年以上かけて採集や分析を重ねたといい、専門家は「研究者も知らなかったキノコを、よく身近な場所で見つけてくれた」と評価している。

キノコは校内の柿の木で見つかったが、直径約0・2~0・5ミリとごく小さく、肉眼では見えないほど。これがキノコだと見抜いたのは中野遼教諭(32)だった。

鳥取大農学研究科の院生時代、小型キノコを研究し、新種を発見した経験もあるという。昨年11月頃、教え子たちに「調べたら面白いかも」と話したところ、2年生男子6人が興味を示し、放課後に中野教諭の指導を受けながら研究を進めた。

種類を特定するには、胞子を作る器官などを顕微鏡で調べ、形や大きさなどのデータを数多くとる必要がある。しかし、あまりに小さく潰れやすいため作業は難航。目的の器官を一つも観察できない日もあった。

苦心の末に集めたデータを過去の文献と照合。専門辞書を片手に海外の膨大な学術書を読み込み、キノコを含む10万種近くに上る菌類の中から、1962年に英国で発見された小型キノコ「フウリンタケ型菌類」の一種と特定した。アジアでは未報告といい、8月の日本菌学会で高校生部門の優秀賞を受賞した。

生徒の一人、河井 優唯斗(ゆいと) さん(17)は「特定品種の柿の木で見つかることが、このキノコの生態と関係があるのかも」と探究心をのぞかせる。中野教諭は「自ら手を動かして分析し、成果を発表する経験が今後に役立てば」と笑顔を見せる。

キノコに詳しい大阪市立自然史博物館の佐久間大輔学芸員は「樹上で育つキノコの外来種は例がなく、日本に古くから定着していた可能性がある。DNAを調べると、海外の種と異なる部分が見つかるかもしれない」と今後の研究に期待する。